アートフラールでは、美術品・絵画の買取をしています。美術品・絵画の売却はアートフラールへ!
2021/05/28
作品の保存(保管)について③
紫外線
前回及び前々回で、作品のカビやシミ、波打ちなどの症状の原因と考えられる
「水分(湿度)」
について記載しました。
今回は、作品(油彩、水彩、版画等)の
褪色や変色に影響を与えると言われる
光(紫外線)について述べたいと思います。
作品を飾っていると、
①白い余白の部分が陽焼けしたり、
②色が薄く(褪色)なったり
することがあります。
これらに紫外線が影響していると言われています。
窓際で光が長時間当たる所は論外ですが、
直射日光が当たらない所でも
長い年月が経てば、
多少は影響を受けるのは仕方ないかもしれません。
(*家具を動かしたら、その下の畳やフローリング材の色が鮮明だった事ありませんか?)
ただ、これらの自然光とは別に
照明器具が影響することはご存じでしょうか・・・?
10年以上前の話ですが、
取引先に、ある作品(リトグラフ)を
1っカ月ほど貸出した後に返却いただいた時に、
一目でわかるぐらい
色が薄く(褪色)なっていたことがありました。
私:「何処に飾っていたんですか?」
相手:「完全屋内の事務所兼作業場です。」
詳しく聞くと、
蛍光灯ランプが無数にあり、
尚且つ長時間点灯している場所でした。
これは、たまたま極端な環境だったのに加え、
その作品に使われていた
インクの耐光性が弱かったのが
大きな原因だと思います。
ただ、
蛍光灯やハロゲンランプ
(*種類によって強弱はあります)
は紫外線が出ていることは
頭に入れておいた方が良いと思います。
しかし、最近普及しています
照明用LEDは
紫外線を出していません!
そのため、
可能でしたら、
LEDランプをお勧めいたします。
作品の褪色の大きな原因は
使われているインクが主な原因ですが、
このように
光(紫外線)も関係していると言われています。
そして、ガラスよりもアクリルガラスの方が紫外線をカットできます。
また、
まだまだ高額ですが、
美術館やコレクター向けに
恒久紫外線カット低反射アクリルガラスも出てきています。
気になる方は、
費用が多少かかりますが、
可能でしたらお勧めいたします。
アートフラールでは、美術品・絵画の買取をしております。
見積もり、査定無料!
御気軽にお声がけください。
*恒久紫外線カット低反射アクリルガラス:
一般的に言われている「紫外線カットアクリル」は紫外線カットの液体を表面に噴霧しただけのため、
ある一定期間過ぎると普通のアクリルガラスになります(*表面を拭くことは避けた方が良いです。)。
これに対し、恒久的(長期的)に紫外線カット効果があり、尚且つ、ガラス表面への映り込みがかなり軽減されています。