アートフラールでは、美術品・絵画の高価買取をしています。美術品・絵画の売却はアートフラールへ!
2021/06/04
作品の保存(保管)について④
マット焼けのサインと注意点
あるお客様から、作品の焼けのご相談を受けたことがあります。
上記が、その時の作品です。
確かに全体的に焼けた感じはしますね。
焼けには、
①「太陽や紫外線による表面焼け」と、
②「裏板などの木から出る酸焼けや、マットによる酸焼け」
があります。
特に気を付けなければならないのが、
②の酸焼けです。
これは、支持体である紙などを酸化し劣化させてしまうからです。
紙が酸化して劣化が進むと、
ひどい時には、
触ったときに(破れるのではなく)
折れたり、粉々に砕けたりすることもあります。
これは典型的なマット焼け(マットによる酸化)です。
作品とガラス面の間に使われる「マット」に
酸性の紙が使われてるために起こっているのです。
特に1990年代初頭までは、
マットに中性紙(正式には微アルカリ性紙)を使う!
という概念が希薄だったために起こってしまったのです。
(*最近は、「マットは中性」の知識が広がっているため
殆ど中性マットが使われていると思います。
弊社は、「中性マット」だけを使っている額屋しか利用していません。)
「これは、洗いというより酸抜きをすべきですよ」
お客様に説明し、早速額を開けてみました。
写真をご覧ください。(詳細記載)
裏板と作品の間に中性紙が入れられているのですが・・・
(*中性紙は、裏板から出る酸を作品まで行かないようにする為に使われます。但し、湿気が多いところだと湿度を含みやすい欠点もあります。)
かなりの年数(20年とか)経っているのでしょうか・・・?
中性紙の裏面まで焼けが入ってしまってますね・・・。
その為、作品の裏面も多少酸焼けが出てます。
写真をご覧ください。 (詳細記載)
作品をマットから外してみました。
表面も酸焼けの症状が出ています。
ただ、幸いにも、
紙の劣化は
それほどひどくないように感じられました。
何れにしろ
こういう酸焼けの症状がある場合は、
早めに、
しっかりした技術と経験のある修復師に
見てもらい、
適切に処置して貰うことが
その後の作品保存にとって、
大変重要です。
(*弊社では、何代も続く修復師の家系で培われた経験と知識に加え、科学的な新しい知識と技術も取り入れて
幅広い分野の修復に携わっている、信頼できるプロ中のプロの修復師さんと取引しております。)
マットとの境の太い焼け線も
奇麗に取れています。
昔のテープ跡は残っています。
恐らく、中性テープ以外が使われていたのだと思います。
それ以外はとても奇麗に仕上がっています。
当然、
紙に
毛羽立ちや劣化の症状はありません!
お客様にお見せしたら、
あまりの奇麗さにビックリされてました。
このように、
「気づいたら早めの対処」
がとても重要です。
アートフラールでは、作品保管中のトラブルのご相談も承っております。
また、
美術品・絵画の売却、お手放しのご相談も承っております。
弊社お客様がお探しの作品は特に高額査定の可能性大です。
美術品・絵画の高価買取はアートフラールに御気軽にご相談ください。